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ドラマ『キャッスルロック』シーズン1 要点のみを解説・考察

ドラマ『キャッスルロック』シーズン1 要点のみを解説・考察

『キャッスルロック』は、メイン州にある架空の街・キャッスルロックを舞台とした超自然サスペンスドラマである。

この記事では、全10話にわたるドラマの要点のみをまとめ、解説・考察したい。

目次

あらすじ

1991年、キャッスルロックで行方不明になっていた黒人の少年ヘンリーは、凍りついた湖で保安官・アラン・パンクボーンに保護された。

27年後……。

2018年、ショーシャンク刑務所の所長・レイシーが、退職を前に自殺した。
新任の所長・ポーターは長く閉鎖されていたF棟を利用するため、看守に調べさせた。
すると、身元不明の青年が檻に入れられ監禁されているのが見つかった。どうやら、前所長・レイシーが彼を閉じ込めていたらしい。一体何のために……?
ポーターはこの不祥事を隠そうとしたが、《謎の青年》がヘンリー・ディーヴァーの名を口にしたのを聞き、看守のザレフスキが密かにヘンリーを呼び寄せた。

「養父殺し」の汚名を着せられ、偏見の目で見られて育ったヘンリーは、キャッスルロックを離れ、弁護士となっていた。ヘンリーは故郷に戻り、青年を解放するため尽力する。
ところが、味方だったはずのザレフスキが次第に錯乱し、刑務所内で銃乱射事件を起こした。ザレフスキが射殺されるのを目撃し、間近で銃声を聞いたヘンリーは以後耳鳴りを発症する。

事件が公になると青年は解放され、行き場がないのでヘンリーが実家に連れて帰った。
その後、ヘンリーは記憶喪失と思われる青年を入院させるためジュニパーヒル精神科病院に連れて行ったが、青年の行く先々で凶事が起こり、死人が出た。
やがて病院で放火事件が起こり、青年は逃亡した……。

解説・考察

《謎の青年》の正体は?

この先、結末ネタバレあり!!

青年は、キャッスルロックの街に災厄をもたらす《悪魔》だった。
なぜかそのことを察知したレイシーの手により、彼は27年間、地下牢に閉じ込められ、年を取ることもなくひっそりと生き続けていた。一体どのようにして、レイシーと青年が出会ったのか、2人の間にどのような会話があったのかは、謎のまま、終わってしまう。

この後のシーズンで明かされることはあるのだろうか……?

ヘンリーと《謎の青年》の奇妙な関係

少年ヘンリーは、1991年にキャッスルレイクを通じてパラレルワールドに飛ばされ、そこで27年間、少年の姿のまま、牧師マシューに監禁されていた。
そのことが判明するのは《第9話》だ。

パラレルワールドにおいては、黒人のヘンリーと《謎の青年》の立場がすっかり入れ替わっている。

パラレルワールドにおいて《謎の青年》は、牧師夫婦の子・ヘンリー・ディーヴァーとして生まれ、長じて脳神経外科医となった。
そして、父マシューの訃報を聞いて故郷に戻り、家の地下で監禁されていた少年ヘンリーを見つけるのだ。(この時点で少年ヘンリーは元の世界の記憶を失くしている。)

元の世界では、牧師夫妻は実子を亡くし、黒人の少年ヘンリーを引き取って育てたという設定だ。丘の上の墓地には、名もなき子どもの墓がある。

マシューもまた、レイシーと同様、常人には計り知れない理由で、この少年を《悪魔》と察知し、長年監禁していたのだ。

外科医のヘンリーは少年ヘンリーを助け、はずみで共にパラレルワールドに飛ばされてしまう。そしてレイシーに捕まり、《謎の青年》として刑務所に囚われる。
一方、記憶を失くした少年・ヘンリーはパングホーン保安官に助けられ、成長して弁護士となる。そして刑務所で元外科医のヘンリーと再び出会うのだ。

ここで、物語は最初につながる。

いずれの世界においても、パラレルワールドから来たヘンリーは《悪魔》として、27年間監禁される運命だ。2人共、交代で27年間ずつ、監禁されている。
なんとつらい話だろうか。パラレルワールドにおいて、善良な市民として生活していた彼の姿を見た後では心が痛む……。

最終話では、青年は弁護士・ヘンリーの手によって、再び、ショーシャンク刑務所の地下に監禁されることとなる。青年を野放しにしておけば、街に凶事が起こるからなのだが……。
とんでもない胸糞エンドだ。

ヘンリーと養父・マシューの確執

刑務所長レイシーが、いかにして《謎の青年》の正体に気づいたかはわからない。
一方、パラレルワールドにおける牧師・マシューは、なぜ《悪魔》に気づいたのか。その片鱗は、過去のエピソードの中にヒントを見ることができる。

マシューには元々狂信的な傾向があり、養子のヘンリーを連れて森の中をさまよい、「神の声」(別名:スキスマ)を求めて歩くのを習慣としていた。妻・ルースによれば、マシューに脳腫瘍ができてから、ますます奇行がひどくなったと言う。
ヘンリーはそのことを嫌がり抵抗していたのだが、最終的にマシューは「神の声」を聞き、なんらかの啓示を得たようだ。
そして、パラレルワールドのマシューは《悪魔》と出会い、監禁するに至った。

パラレルワールドで監禁された後、元の世界に戻った少年・ヘンリーは、養父を崖から突き落とし復讐した。

この「父殺し」というテーマは、この後の『キャッスルロック2』でも再びくり返されている。

レイシーにしろマシューにしろ、《悪魔》を閉じ込め、街を災厄から守るという正義の役目を果たしたのだろうが、2人とも末路は悲惨だった。
キャッスルロックという街は、宿命的に呪われているのだ……。

みどころ・感想

ショッキング・シーンあり

第4話、ザレフスキが銃乱射事件を起こすシーンが衝撃的だ。

また、第8話ではレイシーの家を購入して町に移住したゴードン夫妻が、生前レイシーが描いた《悪魔》の絵に魅了され、気が狂ってしまい、次々に殺人を犯すシーンがスリリングだった。 研ナオコみたいな顔したビッチの奥さんが、いい味を出している。
この夫婦に斧をもってとどめをさしたのが、ジャッキー・トランスという少女。『シャイニング』でジャック・ニコルソンが演じたジャック・トランスの姪という設定だ。

第8話は全体のストーリーに全く関係のない、箸休めのエピソードとしておもしろかった。

キングお得意の切ないラブストーリー

第7話では、ヘンリーの養母・ルースを主人公として、時空がループする演出がある。

ルースは認知症ゆえに頭が混乱しており、時間と空間がめちゃめちゃにシャッフルされるという、気の毒な設定だ。
ルースが部屋を移動するたび、時空がシャッフルされて過去のシーンがプレイバックする。例えば、大人になったヘンリーが実家に帰ってきた場面、恋人・アランとの過去の思い出の場面、ヘンリーが子どもの頃にかぜを引き、看病したときの場面など……。
これがルースの頭の中だけで起きているという証拠に、ヘンリーを看病する自分は若き日の姿だが、鏡に映っている姿は現在の老いた自分となっている。

ちなみに、ヘンリーの母ルースを演じるシシー・スペイセクは、1976年に公開された映画『キャリー』の主演女優だ。
映画のクライマックスでは、プロムの女王として選ばれ、壇上に上がったところで、天井に吊るしたバケツ一杯の豚の血を浴びせられるシーンで世界をあっと驚かせた。

時空がシャッフルされるたび、ルースはアランがプレゼントした赤と白のチェスの駒を握り、正気を取り戻そうと努力するのだが……。やがて、ルースはマシューの亡霊と見間違えてアランを撃ってしまい、次の場面では過去に戻り、キャッスルロックに戻って来たアランがルーシーに愛の言葉を告げる。

とり返しのつかないことをしてしまった後で、見かけ上の時間が元に戻る。切ないシーンだ。

モリーの恋

『キャッスルロック』シーズン1では、もう1人、ヘンリーの隣人で幼ななじみのモリーが重要な役割を演じる。

モリーは弁護士・ヘンリーに思いを寄せ、超自然的な能力を抑えるために薬物を常用している。
一方、パラレルワールドのモリーは屈託がなく明るい女性で、幸せそうに暮らしていたが、少年・ヘンリーを助けるために銃で撃たれてしまう。
ヘンリーにはそのときの記憶はないはずだが、元の世界に戻り、成長した後、モリーに街を出るように勧める。モリーはヘンリーの助言を聞き入れ、海辺の街に引っ越して平穏に暮らすのだった……。

結局、モリーの片思いは実らずに終わったが、その方が彼女にとって幸せだろう。

終わりに

『キャッスル・ロック』シーズン1は話が複雑に入り組んでおり、これらを丁寧に読み解き、理解する能力が求められる。回を追うごとに欠けていたピースが埋まり、謎が明らかとなるので、この仕掛けにうまくハマれる人には楽しめる作品だと思う。
反面、時間がループしたりだとか、「街に災厄をもたらす悪魔的存在」などの突飛な設定について行けない……と感じる人は、早々に脱落するだろう。

万人向きのわかりやすいホラーではない、通好みの作品と言える。

どちらかと言えば、シーズン2の方が筋が単純で、人に勧めやすい。
話の連続性はなく、シーズン2から見ても楽しめるので、初心者にはシーズン2を勧めたい。

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黒いジョヴァンナ
生来のホラーマニアで、学生時代には『新耳袋』『怖い本』『東京伝説』などを集め読破した。漫画好き、映画好きでもある。